1 .無添加への過信は、化粧品会社の思うツボ!
昨今の脱ケミ (ケミカル)、ブームで、「無添加」を基準に化粧品を選ぶ女子が増えているようです。
その「無添加」の正体はご存知ですか?
実は、肌に優しいでブームな無添加化粧品でも、肌に優しくない商品はわんさか存在します。
というのも、無添加化粧品と名乗るための明確なルールはないからです。
香料にしろ、着色料にしろ、何らかの成分 (実質的には主に旧表示指定成分* ) がー種類でも入っていなければ、無添加と表現できます。
つまり、ほとんどの化粧品は無添加と言えるのです。
この時点で、「無添加=肌に優しい」のイメージは壊れます。
*旧表示指定成分:肌がアレルギーを起こす可能性があるとして、1980年から化粧品への表示を義務付けられた103種類の成分。現在は制度が変わり、全成分表示が義務付けられている。
2.「天然成分」も中身は化学物質、「合成成分」も原料は天然成分
「無添加100%」などと書かれた化粧品に対して、「化学物質ゼロで肌に優しいのね!」と思うのは勘違いです。
この世に、化学物質を含まないものは存在しません。
例えば、水は「H2O」という化学物質です。
同様に植物オイルのような天然成分も、その実体は多数の化学物質の複合体なのです。
一方、どんな「合成物質」も人間がゼロから作ることはできません。
合成の界面活性剤や防腐剤も、原料は天然成分です。
そう、すべての合成物質は天然成分がベースになっているわけです。
ほぼ例外なく、原料は天然成分です。
界面活性剤や防腐剤、香料、着色料、紫外線吸収剤などすべて。
刺激のある界面活性剤として悪名高い「ラウリル硫酸 Na」は、ヤシ油ベースの脂肪酸が原料。
「シリコーン」は鉱物が原料です。
避けるべき添加物はあるか?と言われれば
無香料、無着色、無防、腐剤 etc……。
これらの重要性は、肌質や好みで異なるでしょう。
しかし、「香料」はアレルギーを、「鉱物油」は乾燥を招くことがあり、配合量が多い場合は注意。
敏感肌の人は「着色料」「アルコール」もアレルギーのリスクがあるので、配合量が多いものは避けて欲しい。
3.無添加コスメと合成物質の実際
今までの情報をザックリまとめると
- 旧表示指定成分などが1種類でも入っていな ければ、「無添加化粧品」と表現できる。
- 「天然成分」も中身はたくさんの化学物質。天然。合成という基準では化粧品を評価できない。
- すべての「合成物質」は天然の原料から作られている。どんな化粧品も「天然由来100%」
4.「天然」「合成」「天然由来」の違い
化粧品の成分。
それぞれの言葉の違いを理解しておくことが、商品を選ぶ際にとても役に立ちます。
天然成分
天然から採取したまま、手を加えていない成分。ただし、天然だからといって優しいわけではない。
天然由来成分
天然から採取したものを原料にして作った成分。つまり「原料」が天然物なら、それが合成界面活性剤でも「天然由来」と言える。しかしこの世に存在する成分は、合成化合物も例外なく天然原料から作ったもの。「石油」も立派な天然原料。
合成成分
天然から採取したものを原料にして、それを微生物発酵させたり、ほかの化学成分と反応させたりして作った成分。
「天然由来100%」という宣伝文句につられちゃダメです。
「無添加」の過信は、化粧会社の思うツボとなります。
その「本質」を消費者は見極めましょう。